第21回 インターナショナル・オルガン・フェスティバル・イン・ジャパン2011 北九州公演


2011/ 5/29(日)北九州 ソレイユホール

公演は終了歌しました。
お忙しい中ご来場いただきありがとうございました。
出演
オルガン:エルンスト・エーリヒ・シュテンダー
  『バッハが通ったリューベックのブクステフーデ直系の後継者』
オルガントリオ サウンド・オブ・ピース
  オルガン:児玉麻里・箏:須田俊子・尺八:岩橋庸一
オルガンと神楽のコラボレーション
  オルガン:児玉麻里・神楽:高千穂神楽

◆主催
インターナショナル・オルガン・フェスティバル・イン・ジャパン組織委員会

◆後援
外務省、文化庁、大阪・神戸ドイツ連邦共和国大使館、公益法人日独協会

◆助成
芸術文化振興基金

◆協賛
凸版印刷株式会社

◆北九州公演後援
NHK福岡放送局/NHK北九州放送局/産経新聞社/福岡県/福岡県教育委員会/北九州市/北九州市教育委員会
朝日新聞社/毎日新聞社/読売新聞社/FBS福岡放送/RKB毎日放送/TNCテレビ西日本/TVQ九州放送/FM福岡

◆北九州公演助成
財団法人朝日新聞文化財団



◆ご挨拶

萌える若葉が眩しかったのに、あっ〜という間に濃い新緑になりました。
予想外の東北関東大震災の余震が絶えない中で、ブクステフーデの後継者といわれる
ドイツ・オルガン音楽、古典の権威者、Prof. Ernst Erich Stenderさんをお迎えして、
素晴らしいオルガン音楽を皆さまと分かちあえる事を、大変嬉しく思います。
  この「オルガンフェスティバル」の趣旨は、
1.オルガンが設置されている各地域に於いてオルガン音楽の振興と普及、若者への伝承
2.オルガンの語源はギリシャ語で「道具」、何の道具かというと神さまの道具、
その道具は何に使うかというと『隣人愛』なのです。
オルガンを道具として、演奏会を手段として、隣人愛のために舞台の上に立つ演奏者、
スタッフと聴衆とが一体になり、隣人愛を心して参りました。演奏会の収支とは別に、
各会場で募金活動を行い、その場で封印をして、全会場分を纏めて、隣人愛をもって寄贈
させていただいて参りました。今回は東日本大震災に贈られます。
「オルガンフェスティバル」を立ち上げた高度成長期にあった1991年には、忘れもしない湾岸戦争の只中、
イラクによって人質になって本国に帰れない観光客を迎えるために、募金は飛行機を飛ばす資金として、
今は亡き相馬司教様に託して現地に出向いていただきました。
 それ以来、オルガンフェスティバルは、その趣旨を一貫として継続させていただいております。
ご支援下さるお一人、お一人に心から感謝を申し上げ、今後ともご指導、ご鞭撻を頂きたくお願い申しあげます。
                               
児玉麻里


募金のご報告

本年度は、東日本大震災救援のための募金が行われ、以下のように募金があつまりました。

  • 5月22日 仁川学院コルベ講堂 68,566円
            募金ご協力 聖パウロ女子修道会
  • 5月26日 東京カテドラル聖マリア大聖堂 118,881円
            募金ご協力 イエスのカリタス修道女会
  • 5月29日 北九州ソレイユホール 74,173円
            募金ご協力 コングレガシオン・ノートルダム修道会・イエスのカリタス修道女会
  • 6月 1日 神奈川県民小ホール 104,514円
            募金ご協力 イエスのカリタス修道女会・幼きイエス会


  • 4会場合計募金金額366,134円が、NHK事業局・日本赤十字社を通じて寄贈されました。

    演奏曲目

      オルガンソロ(エルンスト・エーリヒ・シュテンダー)
    • 「トッカータ ヘ長調BWV157」  ディートリッヒ・ブクステフーデ 
    • 「おお人々よ汝の大いなる罪を嘆けBWV622」ヨハン・セバスチアン・バッハ
    • 「プレリュードとフーガ ハ長調 BWV545」ヨハン・セバスチアン・バッハ
    • 「管弦楽組曲第3番ニ長調のアリア」ヨハン・セバスチアン・バッハ(G・フィリップス編曲)
    • 「プレリュードとフーガ 変ホ長調 BWV552」ヨハン・セバスチアン・バッハ
    • 「ペールギュント第1組曲」エドヴァルド・グリーク(シュテンダー編曲)(本邦初演)
       前奏曲「朝の気分」「オーゼの死」「アニトラの踊り」「山の魔王の宮殿にて」
    • 「新世界より シンフォニー第9番ホ短調 作品95」アントン・ドヴォルザーク(シュテンダー編曲)
    • 「威風堂々 作品39-1」 エドワード・エルガー (シュテンダー編曲)(本邦初演)
    オルガントリオ(サウンド・オブ・ピース)
    • 「フランシスコ・ザビエルの足跡」児玉麻里作曲
    オルガンと神楽のコラボレーション
    • 「世界の輪と光」 作曲・オルガン:児玉麻里 神楽:高千穂神楽

    オルガンと神楽のコラボレーション


    作曲・オルガン  児玉麻里
    神楽        高千穂神楽(重要無形民俗文化財)
    師匠・振付     甲斐愛光

    【高千穂神楽】
     太鼓:甲斐愛光/ガタ:甲斐清喜/笛:飯干直喜
     猿田彦:春山辰明/天細女命:安在弘幸
     大国主命:佐藤紀文/杵舞い:飯干福重/太刀神添:佐藤公也・甲斐重吉
     舞開き:甲斐重寛 他全員

    『世界の輪と光』(児玉麻里作曲)

     この作品は、天孫降臨の神話のある高千穂で、かつて天の岩戸に天照御神が隠れ、真っ暗になった世の中で、 天鈿女命が面白可笑しく舞い、天照御神が岩戸の隙間から覗かれたところを、太力男尊が扉を開けたので、 再び世の中が明るくなった・・・という逸話を、現社会に置き換えた物語です。

     天鈿女命が、平和に舞っていると、悪者が出てきて舞いを妨害する。 天鈿女命が怒って舞いを止めてしまうと、悪者は平和の象徴である『鏡』を奪って逃げる。 それをみていた大国主の尊が様々な方法で悪者を懲らしめる。 悪者が反省して鏡を返しに来ると、猿田彦大神が、天鈿女命を迎えに行き、 天鈿女命が再び舞いはじめると、世の中に平和が戻り,農民が喜び歌い、『昼の太陽の神』と『夜の月の神』を掲げて平和を祝う・・・。

    アーティスト紹介

    エルンスト・エーリヒ・シュテンダー
    1972年 リューベック音楽大学で教会音楽の最高資格A-Examenを修了。
    1973年 リューベックの聖マリア大聖堂のオルガニストに着任。
    1989年 リューベック音楽大学教授に就任「北ドイツ福音ルター派教会音楽デレクター」を兼任。
    1991年 アメリカ・オハイオ州クリーブランドのバッハ研究所の名誉会員に就任。
    聖マリア大聖堂ではオルガニストと聖歌隊のカントール、リューベック聖歌隊の指揮者の両役割を担う。聖マリー大聖堂の2台の著名なオルガンを使い、 オルガンによるブクステフーデのオルガン曲全曲や古典的オルガン交響曲など、毎年60−70回のコンサートを行い、多くのレコーディングがある。 JSバッハのオルガン曲全曲を独自な解釈で演奏、オリビエ・メシアンやマックス・レーガーのオルガン作品の演奏に、批評家は“最高の音楽性を持った”オルガニストと評価している。 ドイツレコード批評家賞と、ドイツレコード賞を受賞。 作曲家ブクステフーデの死後300年を記念して出版されたブクステフーデのオルガン曲全集(CD6枚組)は聖マリア大聖堂の「死の舞踏」オルガンで演奏されたもの。

    児玉麻里
    東京都出身。芸術学修士。アメリカのシカゴ大学にて宗教音楽を学び、「アメリカン・ギルド・オブ・オルガニスト」の シカゴメンバーを取得。以後各国の国際交流事業に、オルガン音楽をもって参加、 これまでに35カ国、350都市からの招聘を受けて演奏活動を行う。 1991年、日本で唯一の「インターナショナル・オルガン・フェスティバル・イン・ジャパン」を立ち上げ、 国内のオルガン音楽の振興・普及に尽力し、今年で第21回を迎える、演奏回数99回、招聘国数64カ国、招聘オルガニスト延べ74名。 1995年「サウンド・オブ・ピース」を結成し、日本人の血をもって、 オルガンと日本の伝統芸能、和太鼓・笛・太鼓・鼓・筝・尺八・笙・声明など日本の伝統楽器との室内楽との創作に取り組み、 新しいクラシック音楽のスタイルを生み出すために、邦楽・能楽・神楽などと、ウイーン・ベルリン・イタリア・アメリカなどで公演活動を行い好評を得ている。 2006年「Newsweek」誌の「世界が認めた日本人女性100人」に選ばれる。バッハではないが独自のオルガン音楽の世界を生み出し、好評を得ている。


    サウンド・オブ・ピース
    『児玉麻里とサウンド・オブ・ピース』として、日本の伝統文化
    である邦楽器と、ヨーロッパ音楽の代表的楽器である
    パイプオルガンとのアンサンブルをもって、
    新しい日本の現代クラシック音楽を創造している。
    1995年より演奏活動を行っています。
    オルガン:児玉麻里  筝:須田俊子  尺八:岩橋庸一
    須田 俊子・東京芸術大学音楽学部邦楽科卒業。生田流専攻。日本三曲協会、生田流協会、森の会会員。
    1995年より「サウンド・オブ・ピース」演奏会に出演。
    岩橋 庸一・1995年エストニア・オリエント95、及びデンマーク、
    ソリュ国際音楽祭、など「サウンド・オブ・ピース」演奏会に出演。

    高千穂神楽
     高千穂は、記紀が伝えるところの天孫降臨の聖地にして皇祖発祥のちである。 遠い神代の昔、天孫ニニギニミコトは美しく豊かな国をつくるために稲千穂を たずさえてこの地に降臨されたという。  「はるかなる神代はここに創まりぬ 高千穂の山青くして」という川田順の和歌はその感慨を詠んだ秀歌である。  秋の収穫が終り木枯らしの季節を迎えるころになると民謡「刈干切り唄」と共に 高千穂の山間より神楽の笛や太鼓の音が聞こえてくる。 各村落ごとに氏神さまを「神楽宿」に定めた民家にお迎えして、夕方から翌日の 昼近くまで夜を徹して三十三番の神楽を舞い明かすのである。 秋の実りに感謝して、永い冬の無病息災を祈り、恵み多き春を予祝する 冬の鎮魂儀礼として行われる高千穂の夜神楽は、国の重要無形民族文化財に指定されている。

    2011 北九州 ソレイユホールにて

    シュテンダー教授演奏
    シュテンダー教授
    サウンド・オブ・ピース演奏
    サウンド・オブ・ピース
    世界の輪と光
    世界の輪と光